# 第16回海を渡ってきた早生りんご

**著者**: 藤澤 充子（飯綱町集落支援員（りんごのまちづくり担当） / 飯綱町）
**掲載誌・発行日**: 飯綱町広報紙 発行日／令和5年8月31日 / 広報いいづな（令和5年9月号・第214号）
**カテゴリー**: 品種の物語 | **連載回**: 第16回
**パーマリンク**: https://appletown-iizuna.com/charm/vol-16/

## 概要
夏明・恋空・夏乙女・シナノレッド・シナノリップ・つがると、極早生種・早生種のりんごが続々と収穫の季節を迎えます。近年、種類が増えてきたこの季節のりんごの草分けと言えば、やはり「祝」でしょうか？昭和の時代に多く生産され「盆りんご」や「なるこ」と呼ばれていたりんごです。祝は明治初頭に...

## 本文と挿絵（章ごとの配置）

### 夏に出回ったアメリカのりんご

夏明・恋空・夏乙女・シナノレッド・シナノリップ・つがると、極早生種・早生種のりんごが続々と収穫の季節を迎えます。近年、種類が増えてきたこの季節のりんごの草分けと言えば、やはり「祝」でしょうか？昭和の時代に多く生産され「盆りんご」や「なるこ」と呼ばれていたりんごです。祝は明治初頭に日本に導入されたPearmain＊が当地でアメリカ原産のりんごでAmericanSummerの品種名です。直訳すると「アメリカの夏りんご」ですね。

お盆の供え物として夏に需要があった祝は、出回る時期には果皮は緑色の状態ですが、９月上旬になると緑色の果皮に赤褐色の縦縞が入ります。縦縞が入ってくると本来の熟期と言われていて、この時期に食してみると、適度な糖度で爽やかな酸味もあり、さっぱりとおいしく食べられるりんごです。

![祝は7月中旬から出荷される](/img/charm/webp/vol-16-img-1.webp)
*祝は7月中旬から出荷される*

### イギリスの真っ赤な早生りんご

アップルミュージアム側のニュートンりんご並木には、８月初めに真っ赤に色づくりんごがあり、道行く人々の目を引いています。真っ赤なりんごはイギリス原産種の「パール」で重さ150～180gと小振りです。葉摘み無しでも大変に着色しやすく果実の上部から底部まで全面濃赤色になり、ストロベリーのような芳香が強くします。

冷涼なイギリスが原産地のパールは、昨今は夏の高温が続く気候の影響をうけ早期落果が甚だしく、良質な果実の割合も低くなっているようです。果肉は熟すと柔らかく、酸味が強く甘味は少ないため生食には向きません。試しにジャムにしてみると短時間で煮溶け、少し時間を置くと果皮の濃赤色が果肉に浸透し、綺麗なピンク色に変化。味わいには深みがあり加工向きのりんごです。

![濃赤色に着色したパール](/img/charm/webp/vol-16-img-2.webp)
*濃赤色に着色したパール*

### 明治の人、ロシアのりんごに驚く

西洋りんごが日本に導入されて間もない1877（明治10）年８月、青森県津軽地方で人々が驚くばかりのりんごが実りました。当地の『北斗新聞』は、その状況を『實ニ管内未曾有ノ大ナルモノニシテ、味ヒ殊ニ美二、日本種類トハ比較シ難シ』と報じています。管内未曾有の大なるものとは、この地に初めて実った西洋りんご—ロシア原産種「紅魁」のことで、日本種類とは和林檎のことです。直径が３、４㎝ほどの和林檎に対して７、８ｃｍもある紅魁を目にし、味わってみて人々は驚嘆したのでした。その後は、青森県の明治７大品種と称されたりんご（国光・紅玉・祝・紅魁・紅絞・柳玉・錦）の一つとして大いに栽培されました。かつては長野県でも栽培されていた品種です。現在では経済栽培は見ら倭れいめいきれませんが、日本の西洋りんご栽培の黎明期に足跡を残したりんごです。

![左／熟期の紅魁（べにさきがけ） 右／和林檎の一種、高坂林檎
採取地：いいづなアップルミュージアム](/img/charm/webp/vol-16-img-3.webp)
*左／熟期の紅魁（べにさきがけ） 右／和林檎の一種、高坂林檎
採取地：いいづなアップルミュージアム*

## 註釈・用語解説

- **Pearmain（ペアメイン）**: ナシ形のりんごの欧米での総称。

## 参考文献・取材協力・根拠史料

- **『リンゴ品種大観：吉田義雄』**
  - 根拠・関連: 第16回における歴史的・植物学的記述、品種改良データ等の根拠資料
- **『りんごを拓いた人々：斎藤康司』**
  - 根拠・関連: 第16回における歴史的・植物学的記述、品種改良データ等の根拠資料
- **『青森県のりんご：杉山芬』**
  - 根拠・関連: 第16回における歴史的・植物学的記述、品種改良データ等の根拠資料

