頑張る、りんごの三兄弟
第7回頑張る、りんごの三兄弟
品種の誕生には、こんな経緯があった!
りんごの三兄弟、全国栽培面積の順位上がる「りんご三兄弟」は、今ではすっかり定着した長野県生まれ3品種の呼称。黒々とした濃赤色が印象的な「秋映」は、中野市の故小田切健男氏が育成し、平成5年に品種登録されました。平成8年に品種登録された「シナノスイート」。長野県果樹試験場の育成品種で、ジューシーで甘く、程よい硬さの人気品種です。輝くような黄色の「シナノゴールド」も、長野県果樹試験場の育成品種で、平成11年に品種登録されました。平成21年JA全農長野は、このりんご3品種を広く普及するために「りんご三兄弟」の呼称を商標登録し、プロモーションを行ってきました。国産品種の開発開始以来、青森県・晴天の秋映東北生まれのりんごが常に栽培品種をリードし、全国の品種別栽培面積は、ふじが5割強、つがるが1割強で上位です。現在、長野県内の栽培面積は、ふじ・つがるに、シナノスイート、秋映、シナノゴールドと長野県生まれ3品種が上位に続きます。平成19年に、シナノスイートは全国の栽培面積9位に躍進しました。平成29年には、シナノスイートが5位、シナノゴールドが6位、秋映が10位と、長野県の三兄弟がベストテンに入っています。全国に着々と普及して、三兄弟の今後が更に期待されます。
品種の誕生には、こんな経緯があった!「シナノスイート」の誕生経緯について、当時の担当研究者の泉克明氏の談話を紹介します。『長野県では品種育成の目標として、収穫時期が9月初旬の「つがる」と11月中下旬の「ふじ」という人気品種の間で、10月頃に収穫できる中生品種の育成がありました。育成中、「酸味がなくて甘いだけ」との意見もあり、試験場内でも評価が分かれていた時、一緒に調査をしていた学生が「こういう甘いりんごがあってもいいと思う」とつぶやいたのです。そこから、これでいってみようという流れができました。』若者のその一言に込めた想いが、この品種の誕生に繋がりました。「シナノゴールド」の誕生経緯について、当時の担当研究者小松宏光氏の談話です。『当時、私を含めて3人の職員が食味の調査をして、新品種の候補を評価していました。3人の評価が一致することは珍しいのですが、3人がそろって「これはおいしい」と評価したのが、シナノゴールドでした。』長野県生まれのシナノゴールドは海外でも評価され、平成26年には、ヨーロッパ最大のりんご産地-イタリア南チロルで商業栽培が始まっています。行政で育成した果樹の海外での商業栽培は、全国初であり快挙でした。
拡大
拡大
民間で育成した品種、個性輝く
秋のりんご畑で、ひと際目を引く濃赤色のりんご。「秋映」は育成者の故小田切健男氏が、その色合いがまさに「秋に映えるりんご」であることから名付けたそうです。首都圏の市場関係者によると、秋映の色合いは消費者の注目度
拡大
参考文献・参考資料
- 『2020長野県の園芸畜産』
- 『2020版果実日本』
- 『信濃毎日新聞2014年5月24日付記事』
- 『長野県果樹試験場HP』