梨なの?りんごなの!
第11回梨なの?りんごなの!
秋、果物の季節の到来!
秋は多くの果物が旬を迎える季節です。りんごも、梨も、続々と出回りますね。ちなみに梨は、日本梨(二十世紀、幸水、豊水、南水、新高、長十郎等)、西洋梨(ラ・フランス、バートレット、ル・レクチェ等)、中国梨(鴨梨、慈梨等)に分けられ、日本梨は、8~9月、西洋梨は9~11月、中国梨は10~11月が収穫期で、りんごとほぼ同時期になります。
9月下旬頃になると、アップルミュージアムのニュートンりんご並木に、なぜ梨が実っているの!と、見学者に驚かれる「りんご」があります。
丸い果形も明るい茶褐色の果皮も、まるで「日本梨」そのもので、赤梨品種の「豊水」、「南水」によく似ています。初めて目にした人は、とうてい、これがりんごとは思わないでしょうね。
りんごの名は「エグレモント・ラセット」、旧三水村時代に、英国王立園芸協会から譲渡されたイギリス原産の品種です。ちょうど、「エグレモント・ラセット」の収穫期に訪れた、日本在住のイギリスの方は、故郷を懐かしみ、たわわに実った果実の写真をさかんに撮られていました。梨のようなエグレモント・ラセット
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梨のようなりんごはどんな味?
梨のような「エグレモント・ラセット」の果実の特徴や味は?というと、果肉は硬く緑がかった白色。熟す直前まで酸味が強く、熟すと甘く、ナッツの風味が少しあります。完熟後、果肉はすぐに軟化します。香りや味は、やはり!確かに「りんご」に違いありません。
果肉を噛むと、少しザラっとした感じがあり、英語圏では日本梨、中国梨の食感について「サンドペアSandPear」(※砂のような梨)と表現していますが、そんな食感が微か~にあるように思います。ちなみにSand(※砂)の比喩は、ナシ属の果実に石細胞という細胞が非常に多いため、果肉の食感が砂のようにザラザラとしていることに例えたものです。
明治20年代の青森県の資料には、「佐藤梨」、「大梨」と俗称で呼ばれていたりんご品種がありました。日本梨は、果皮表面でのコルク層形成の過程の違いから、果皮色が茶褐色になる赤梨、果皮色が青緑色となる青梨に分かれるそうです。明治のこのりんごも「エグレモント・ラセット」のように、日本梨に似た外観のりんごだったのでしょうか?!
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イギリスの伯爵のりんご!
「エグレモント・ラセット」の名はイギリス・サセックスのEgremont伯爵に由来し、19世紀ビクトリア朝時代からある古典的な品種です。
現在もその人気は保たれています。ヨーロッパでは、伝統的な古い品種も絶やさず栽培し続けていて、人々に長く親しまれています。
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参考文献・参考資料
- 『果樹園芸大百科ナシ・農山漁村文化協会編』
- 『栄養・生化学辞典・朝倉書店』
- 『日本の野生植物・平凡社』
- 『リンゴ品種大観』
- 『農業技術体系:ナシ』