摘果りんごの可能性は
第15回摘果りんごの可能性は
りんご産地の摘果したりんご
りんご栽培に欠かせない重要な摘果作業。選び残した幼果に栄養を集中させ充実した果実にし、着果量を適正にしていきます。5月~7月の間、荒摘果から仕上げ摘果まで続き、多大な手数と根気が要ります。
りんご生産量国内2位の長野県では、この時期、大量の摘果りんごが出ます。りんご由来ペクチンの原料として利用されることがあると聞きますが、摘果した多くのりんごは廃棄となっているのが現状です。
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摘果りんごを加工品に活用
国内最大のりんご産地、青森県弘前市の「もりやま園株式会社」は、自社果樹園から大量に出る摘果りんごで造るシードルの醸造に成功。
創業者の森山聡彦氏は、シードル造りを始めた理由について“無価値”とされてきた摘果りんごを“価値”あるものにするためと語っています。
摘果りんごを使う際は、農薬に関する法令を遵守することが前提で、農薬散布の状況を考慮し、休薬期間に摘果したりんごを使うよう調整する等、数年かけてノウハウを蓄積。摘果りんごに含まれる多量のポリフェノール・渋みを活かす醸造の研究を進め、辛口で爽快な味わいのシードルを完成させました。味の評価も高い人気のシードルです。
長野県内にも、摘果りんごを製菓原料で活用する会社があります。
下伊那郡高森町の株式会社マツザワではJA南信州の協力を得て、地元から集荷した摘果りんごを使った菓子「りんご乙女」を10数年前から製造。使う摘果りんごは生産者の農薬への配慮や手間が必要で、大量に入手することは大変でした。しかし、地元で奮闘する会社を応援したい、出荷農家のその想いを力に、現在では国際味覚コンテストで高く評価されるまでに成長。長野県土産では不動の人気商品です。
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摘果りんごが花材の一つに
明治初期に*食用りんご*食用りんご用語解説西洋りんごと同意味。の開発普及に努めた人物、*田中芳男*田中芳男用語解説幕末に西洋りんごと和りんごの接ぎ木を行う。「日本の博物館の父」と言われる幕臣・博物学者。は現飯田市出身。「果物の美しさは文明を美しく飾る」という意味を表す書を残しており、揮毫された書は飯田市美術博物館で展示公開中です。
りんごは成熟果は勿論、未熟果にも、その時期の果物の美を感じることがあります。以前に、長野駅前のホテルに勤務する方から、自作の「摘果りんごと生花のアレンジ」を受付に置いところ、県外の宿泊者から「とても長野県らしい。」「こんな小さい青りんごは初めて。」等反響があって驚いたと聞きました。この時期、「庭の草花と摘果りんご」を籠に入れてみれば、その風情にりんご産地の初夏が感じられます。
【*註釈】食用りんご*食用りんご用語解説西洋りんごと同意味。/西洋りんごと同意味。
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註釈・専門用語の解説
参考文献・参考資料
- 『もりやま園株式会社HP』
- 『信濃毎日新聞2023.4.7』
- 『株式会社マツザワ提供PP』