ゴールデン・デリシャス、子々孫々
第22回ゴールデン・デリシャス、子々孫々
黄金色のデリシャスなりんご!
ゴールデン・デリシャスは、19世紀末にアメリカ・ウェストバージニア州の果樹園で農家によって発見された品種です。大正12年に青森県農事試験場が、生産力が高く食味の良いことに着目し日本に導入しました。果皮は美しい黄金色、果実の肉質はち密で甘味と酸味が調和し、芳しい香りがあるりんごです。
長野県下では昭和45年当時、ふじの栽培面積(※2,520ha)の約40%(※1,000ha)の作付がありました。しかし、貯蔵性に乏しく、表皮にサビが出やすいこと等もあり、また、国産品種のふじやつがるも普及・拡大したことで生産量は減少していきました。現在では栽培はほとんどみられません。一方で、欧州・北米等ではレッド・デリシャス、グラニー・スミス等と並び、20世紀中頃から今日まで、スーパーマーケットで定番のりんごとして人気は健在です。
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長野県産まれの品種に受け継がれる
りんごの品種改良=新しい品種を作るには、雌しべ(※種子親)に他の品種の花粉(※花粉親)を付着させる「交雑育種」が行われます。私たちが日ごろ食べているりんごの種類には、ゴールデン・デリシャスを交配親(種子親・花粉親)として誕生した品種が思いのほか多くあります。
国内生産量トップクラスの主要品種である王林、つがるの他、長野県オリジナル品種の「シナノゴールド」「シナノドルチェ」「シナノピッコロ」は、いずれもゴールデン・デリシャスが種子親です。シナノゴールド、シナノドルチェの花粉親は『千秋』で、シナノピッコロの花粉親は『あかね』です。シナノゴールドの果皮色と果形、果肉のち密さと芳しい香りは、種子親ゴールデン・デリシャスの特徴をしっかりと受け継いでいるように感じます。
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日本で、世界で主要なりんご品種の交配親
先に挙げた品種の他に、ジョナゴールド、陽光、陸奥、世界一、王鈴、東光、金星、ゴールデンメロン、あかぎ、はるか、アキタゴールド等、ゴールデン・デリシャスが交配親の品種は多数あります。海外でも、欧州・北米・ニュージーランド等で人気の品種「ガラ「」*ピンクレディー*ピンクレディー用語解説商標名:ピンクレディー(Pink Lady)、品種名:クリプスピンク(Cripps Pink)。(クリプスピンク)」は、ゴールデン・デリシャスが花粉親。おいしいりんごを数多く生み出すゴールデン・デリシャスは、実に偉大な品種ですね。
ゴールデン・デリシャスを味わう機会はなくとも、私たちは今、その優れた特徴を持つ多くの種類のりんごを食べることができます。一つの新しい品種の育成には15~20年にも及ぶ長い年月が掛かります。取り組まれてきた多くの育成者の情熱とたゆまぬ努力に感謝し、旬のりんごを味わいたいですね。
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註釈・専門用語の解説
参考文献・参考資料
- 『リンゴ品種大観:吉田義雄』
- 『信州のりんご戦後を支えた赤い果実:柏企画』
- 『リンゴの文化誌:マーシャ・ライズ』
- 『果実日本2020版』