飯綱のりんご並木ヒストーリー
第23回飯綱のりんご並木ヒストーリー
りんご村に、国際交流のりんごの種
ニュートンのりんごから、りんご並木づくりへ1889(明治22)年に誕生した三水村(現飯綱町)は1980年代末、村制百周年の節目に、この地の名産として誇れるりんごを核にしたアップルランド事業を計画。りんごのロマンの丘を造ろうと1987年、役場前の敷地には、かのニュートンの逸話に所縁のあるイギリスのりんご品種『フラワー・オブ・ケント』が植えられました。
同時期に企業誘致された斑尾高原農場(現株式会社サンクゼール)には、イギリスの王立植物園(TheRoyalBotanicGardens,Kew)に勤務する日本人女性とのご縁がありました。三水村はその仲介を得て、珍しいりんご品種の譲渡を、*英国王立園芸協会(TheRoyalHorticulturalSociety)に依頼。りんごのロマンを伝える並木づくりは実現へと近づきます。
りんご村に、国際交流のりんごの種三水村長と英国王立園芸協会長は幾度も書簡を交わし、りんご品種は無償提供されることになりました。園芸協会長からの書簡には『りんご並木が、きっと来訪者にとって興味深いものとなるでしょう』とあり、アップルミュージアム内のりんご博物館に展示されています。
イギリスから空輸されたりんご44品種のうち植物検疫を通った16品種の苗木は1990年晩秋、村民が見守るなかイギリス大使館員や保育園児らの手により植えられ、『ニュートンりんご並木』は誕生しました。
植樹から30年余りが経ち、りんご並木の品種=ブラムリーズ・シードリング、ベル・ド・ボスクープ等は町内農家が栽培。主に加工用で出荷され生産量は30~40t程です。これらの品種は強い酸味や芳香、短時間で煮崩れる等の特徴を持ち、加工品作りには最適でシードル(微発泡りんご酒)・ジュ―ス・お菓子等に活用されています。
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りんご苗木を植えた園児たちのその後
並木に苗木を植えた保育園児たちで、今も飯綱に住み、りんごに関わる仕事に就いた人達がいます。山下フルーツ農園が経営する「café傅之丞」のパティシエ、山下亜樹さんはその一人。カフェで提供しているりんごスイーツやジュースのりんごは、農園で栽培した果実を使っています。幼い頃に植えた並木の品種=ブラムリーズ・シードリングやベル・ド・ボスクープもアップルパイやマフィンに使い、人気のお菓子になっています。『甘酸っぱい味わいが好評です』と、笑顔で話してくれました。「やまじゅうファーム」の中村淳子さんも、苗木を植えた園児の一人です。県外で就職し、その後、家業のりんご農家を継ぐために帰郷。
りんごはふじ等の主要品種からブラムリーズ・シードリング、グラニー・スミスといった海外品種まで幅広く栽培されています。消費者に本当においしいりんごを届けるため、手間も暇も惜しまずに、りんご栽培に向き合う淳子さん。
『これからも、学ぶことを怠らず成長し続ける農家でありたい』と語ってくれました。
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註釈・専門用語の解説
参考文献・参考資料
- りんご品種は750種超。【参考資料】「村制百周年記念―三水村の歩み」「農場通信創刊号」【画像提供】山下フルーツ農園飯綱町企画課