りんごの種を蒔いてみると
第24回りんごの種を蒔いてみると
りんごの種を蒔き、苗木を植え続けた人
アメリカの開拓時代初期に生きた伝説の人物、ジョン・チャップマン(JohnChapman1774~1845年)は、通称ジョニー・アップルシードと呼ばれました。成人して以降の約50年もの年月、りんごの種を入れた袋を携えて粗末な衣服で裸足のまま、りんご栽培に適合しそうな北東部の州を歩き回って多くの種を蒔き、苗木を植えました。
彼独自の信念を貫き、人々にも多くの種を配り栽培やサイダー(りんご酒)を造ることを勧め、広めました。アメリカの開拓者精神を象徴する「りんご聖人」とも呼ばれます。現在も、彼の逸話と伝説は絵本や小説等に取り入れられ、教材としても使われる等広く浸透しています。
ちなみに、日本で育種されてきた国産りんご品種の多くが、19世紀末に導入されたアメリカ原産の品種を親にして誕生しています。もしかしたら、日本生まれのりんご品種の中にも「りんご聖人」が蒔いた種の血統が入った品種があるかもしれません。
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りんごの種が持つ、驚くべき生命力!
りんご栽培を始める場合、生産したい品種の*穂木を*台木に接ぎ木した苗木を畑に植えていきます。通常、畑に種を蒔いて苗木を育成することは、概ねありません。種を蒔いて苗木を育成する方法は新しい品種を生み出す場合で、種から育てる方法を「実生」と言います。
新しい品種を生みだす場合、優れた性質を持つ品種の花の「雌しべ」に、優れた性質を持つ他の品種の花の「雄しべの花粉」を付け受精させます。その後、熟した果実から種を取り出して、出来るだけ多くの数量を蒔いて選抜・育成していきます。
りんごを食べる時に種を取り出し、蒔いてみたらどう生長するでしょうか。右の画像は、町内の生産者さんに協力を得て撮影した実生育成した「左/高坂りんご」と「右/なかののきらめき」です。播種から約18ヵ月が経過しています。秋にプランターの培養土に種を蒔き、一冬を越し春になると*双葉が出ます。春夏秋とぐんぐん生長し、2度目の冬を越した時点で掘り出した際の画像です。食べる時には捨ててしまう3mm程のりんごの種が、何と1mから2m近い丈の苗木になるとは!小さな種の持つ生命力が強いことに驚きますね。
右上画像/左側の木「高坂りんご」18ケ月育成。樹高:175㎝根:約35㎝/右側の木「なかののきらめき」18ケ月育成。樹高:85㎝根:約16㎝下左画像/「高坂りんご」9月に播種してから約6ケ月後の4月末の状態。
下右画像/「なかののきらめき」9月に播種してから約6ケ月後の4月末の状態。
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註釈・専門用語の解説
参考文献・参考資料
- 『品種改良の日本史:鵜飼保雄、大澤良編』
- 『リンゴ品種大観:吉田義雄』
- 『よくわかる栽培12か月リンゴ:小池洋男』